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探究レポート

RJP×採用力強化 事例

真の魅力に迫る採用動画、ジョブシャドウイングとは?~BtoB企業の新たな新卒採用広報戦略を紐解く~

就活生にとって情報収集の手段が多岐に渡る現在。デジタルネイティブ世代である彼らは、メディアリテラシーも高く、各種メディアが発信する情報を見極めるとともに、主体的に読み解き理解していきます。このような彼らにヒットする今後の採用広報戦略とは?

今回は、学生が社員の1日に影のように密着するジョブシャドウイングという手法を使った採用広報施策でご一緒させて頂いたIT系中堅企業の株式会社ダイテックの採用担当、溝口直樹さんと長久保靖子さんとともに、これからの採用広報戦略について考えていきたいと思います。

溝口直樹さん プロフィール
1986年入社。同期も全員文系だった中から、技術職に一人配属。右も左もわからないところから勉強を始め、CAD開発担当者として働く。名古屋→広島→東京へと転勤を経ながら、技術企画チームリーダーも経験。2013年に総務人事に異動し、現在は、執行役員 兼 採用責任者を務める。

長久保靖子さん プロフィール
2009年入社。入社後は、営業企画やCADサポート・インストラクターの業務に従事。3年目に名古屋へ転勤すると同時に採用・広報の担当になる。5年目に東京へ戻り、総務や経理の兼務時期を経ながら、8年間で100名以上の新卒採用に携わっている。

制作への拘りから垣間見える、採用への誠実な姿勢

―今回、採用広報映像として「ジョブシャドウイング」という手法を使った映像制作をご一緒させていただきました。制作するにあたって、拘ったポイントを教えて下さい。

-長久保さん

最近、学生さんからよく「会社や社員の雰囲気を知りたい」という声があがってくるんですよね。だからって、毎回職場見学を開催したり、現場の社員をインターンシップに巻き込んだり協力をお願いするのは難しい。そして、いくら採用担当の口から伝えてもなかなか伝わらない現実がある中で、この学生のニーズに応えられるように制作していくことを考えていました。

また、過去の内定者へのアンケートでは、若手社員に会いたかった、一緒に働く人を自分の目で確かめたい、実際の業務の流れが理解しづらい、営業・技術を一緒に説明していてわかりづらいなどの声があって、ここも改善できるような映像ツールになるよう、カット割りも拘りました。

―たしかに営業の商談場面にも密着し、リアルな業務の様子や仕事のいい緊張感が伝わる映像になりましたね。溝口さんはいかがでしたか?

-溝口さん

そうですね。ダイテックの採用において、一番大切にしていることはなんと言っても「マッチング」です。当たり前ですけど、採用基準に達していれば誰でもいいわけではなくて、やはり会社に合った人を採用していきたいと思っています。

しかし、我々も長年ダイテックで働く中で色に染まってしまっていて、適切にマッチングを図るための情報提供ができていないかもしれない。だからこそ、「自社目線」ではなく「学生目線」で制作していくこのジョブシャドウイング映像のコンセプトがしっかりと守られるように、登場する社員にも自由に話してもらい、客観性が保たれるように留意しましたね。

ジョブシャドウイング映像を活用してみて感じた2つのこと

―実際に採用活動において活用されてみての所感を教えてください。

-長久保さん

映像は、採用サイト、会社説明会、合同企業説明会などで使っています。

所感としては2つあって、1つ目は学生へのメリットが高いということです。映像って、文字情報だけと比べて非常に情報量が多いので、学生も言外のメッセージも含めた沢山の情報をキャッチしており、これまでアンケートであった学生の知りたい内容に応えられているのは、こちらとしても嬉しいですね。動画がないときは社員が一方的に話すだけだったのが、学生も映像を見ながら職場見学や社員交流を追体験しているようです。また、映像クオリティとデザインが「今っぽい」と学生から言われており、何かと興味をもって見てくれていますね。

2つ目は、インターシップを開催するよりも工数・手間が少ないことです。インターンシップのように何か特別なことをするわけではなくて、普段の業務を学生が密着するだけなので、準備段階も含め撮影当日も少ない工数で実施することができました。ジョブシャドウイング映像というツールが一つできたことにより様々な場面で活用でき、学生向けだけではなくて、大学訪問でも職員の方向けに活用しています。

―映像の中では、密着している学生からの質問も多くありましたね。

-長久保さん

そうですね。それらの質問は、実際に選考にくる学生も聞きたい質問のようなので、現場社員の生の声として伝えられるのは魅力的だと感じています。特に、BtoB企業の業務イメージやIT企業、ソフトウェア開発の仕事内容はイメージが湧きにくいものだと改めて実感し、今後の採用活動場面でもより丁寧に説明しなければいけないなと再認識する機会となりました。

加えて「どういう想いで働いているのか」「仕事の面白さは何か」「なぜ入社したのか」等、個人に対して共感できる部分を探すような質問が多くありました。映像化としてのメリットはもちろんですが、学生の質問から今後の採用におけるアピールポイントのヒントも得られました。

伝えるだけでは意味がない!何を、どう、伝わるように伝えるか?

―「就活ルール廃止」「採用手法の多様化」等、採用トレンドは変化も激しいですが、今後仕掛けていきたいこと、取り組まれていきたいことを教えて下さい。

-溝口さん

通年採用に向けての動きも今後出てくるかと思いますが、その際は「ナビサイトに頼らない採用」をしていきたいですね。ナビサイトはやはり、色んな制限があって自社の色を出そうとしても出せないもどかしさがあります。どんな情報を、どんなツールをつかって学生に発信していくのか。そこを模索し自社にとって一番良い採用方法を見つけていきたいと思っています。その意味で、今回のジョブシャドウイング映像は、ある種、今後に向けてのヒントの一つになりました。

採用における情報は、主語が何かによって信頼度も大きく変わってきます。客観性が保たれる状態で自社の魅力を上手く伝えていく。改めて、採用広報戦略も練っていきたいと思います。

-長久保さん

「ナビサイトに頼らない採用」にも繋がりますが、SNS、オウンドメディアを強化していきたいですね。とはいえ、運用するにもコンテンツはどうするのか?手間が増えてしまうのではないか?自社に合うやり方は何か?など課題も山積みなので、ここも試行錯誤していかなければならないところです。

また、理系採用を意識して「ソフトウェア開発1カ月密着ドキュメンタリー」のような、より理系の学生を惹きつける映像コンテンツなども考えていけたらいいなと思っています。

―最後に、我々に期待することや今後一緒に取り組みができたら価値があるなと思うことがあれば教えて下さい。

-溝口さん

話に出ていましたが、理系向けに、技術職のもう少しディープなところを訴求していくようなコンテンツも一緒に作れたら面白いですね。大学でのプログラミングの授業とソフトウェア開発は全然違う。それを伝えられたら、一段と学生の職種理解も進むのではないかと思います。

-長久保さん

ぜひハタチのトビラを通して、注目されていない隠れた優良企業や、光の当たらない仕事を多く伝えていってほしいですね。ハタチのトビラは、学生の働き方や企業選択軸を増やす役割を担っていく企画だと思っています。ぜひ認知が高まることを期待しています。

インタビュー後記

今回のインタビュー、そしてジョブシャドウイング映像制作を通して一番に感じたのは、採用への非常に誠実な姿勢でした。「学生・会社双方に採用において一番不幸なのは、“入って辞めること”。」そうおっしゃる溝口さん。撮影当日、本当に率直に話をする社員を見守る長久保さん。

誠実に向き合おうとしているからこそ、広報として発信していく情報の一つに、ジョブシャドウイング映像を選んでくださったのかな?と嬉しくなりました。

業務内容のみならず、なかなか言葉に表しにくい働く人の仕事観をも訴求していくジョブシャドウイング動画。学生目線でつくった動画だからこそ、学生の知りたいことと企業の伝えたいことのバランスがとれ、質の高い自社理解が促されるのだと思いました。

弊社としても、RJP理論をベースに、引き続き学生にも企業にも価値のある採用支援を目指していきたいと思います。

※採用動画制作「ハタチのトビラ」はこちら

村岡 瑞妃

村岡 瑞妃

Mizuki Muraoka

大学卒業後、1年間東京都の小学校教員として担任を務める。その後、エン・ジャパン(株)に転職し企業の採用支援や評価・教育研修サービスの提案営業を行う。現在は、Original Pointへ参画し、大学キャリア教育や新卒採用領域の事業推進に携わっている。

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