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就活ルール廃止後の人事戦略セミナーレポート!新卒採用とキャリア開発を考える。

昨年、「就活ルール廃止」というキーワードが話題になりましたが、新卒採用界隈は相変わらずカオスな状況が続いているかと思います。

また、厳しい環境下の中で採用をしたものの、上司世代と異なるキャリア観の新卒社員の定着・活躍は簡単ではありません。

今回は、法政大学田中教授と開催した人事戦略セミナーの内容をご紹介させていただきながら、これからの採用と定着を見据えたキャリア開発について、「選ばれる努力」「伝える努力」「定着する努力」の3つのポイントから考えていきたいと思います。

どこでも就職(転職)ができる時代に、この会社で働きたいと思える理由は何か?

昨今は、これまでのように大量の母集団を形成し、選抜していく採用手法が通用しにくい時代になってきています。企業と個人の関係性がフラットになりつつある中で「選ばれる努力」が必要なのです。

黙って聞いていると7分で“考える”をやめるデジタルネイティブ世代に「一方的に説明を続ける会社説明会」は通用しません。魅力ある組織づくりに手を抜いている中での「ウチに来てよ」というコミュニケーションは、まず嫌われます。

「集まらない」「優秀層と出会えない」「辞退される」「定着しない」といった課題の本質は「学生側」ではなく、「自社側」にあることが往々にしてあります。

だからこそ、募集・選考プロセスにおいて「採用マーケティング」「採用ブランディング」といった考えが必要なのです。

マーケティングは、ターゲット学生にリーチするための活動になります。昨今はマス型の募集媒体以外にもソリューションが増えたので、自社に合ったものを組み合わせ展開していくことが可能です。

採用プラットフォーム(Indeed、Wantedly、ビズリーチキャンパス)、長期インターン(InfrA)、ダイレクトリクルーティング(iRoots、Offer Box)、リファラル採用(リフカム)、外部イベント、等々、選択肢は多様化しています。

ブランディングは、採用における差別化ポイントを明確にし、求職者に意図した自社イメージを認識してもらう活動です。「リクルートといえば“成長できる”」「サイバーといえば“新しい事業にチャレンジできそう”」等々、「A社といえば●●」をつくるのがブランディングです。

自社のWEBサイトやSNSツールを駆使していくことが一つですが、自社の「事業」「人・風土」「制度」それぞれの魅力を分解して「どんな組織として認識してもらいたいか?」をすり合わせ、採用プロセスに反映していくことが必要です。

そして、これらの戦略は単年での実現は難しいです。「A社といえば●●が、いいよね!」と言われるためには、「事業戦略と採用戦略」「採用における広報-選考-育成」等、一貫性という筋を通す必要があるからです。

「“しんどい”がない仕事はあるのか?」RJPをベースとした定着・活躍まで見据えた採用を

仕事において“しんどい”と感じたことは誰にでもあるはずです。ただ、その“しんどい”が、成長につながったり、乗り越えた際の“やりがい”につながったり、経験の糧になっていることも大いにあると思います。

綺麗な側面だけを切り取って伝えることに“リアル”はありません。

RJP理論(Realistic Job Preview)は、現実をしっかりと踏まえた仕事(その仕事の良いところも、大変なところも)の様子を、入社前から、できる限り包み隠さじに正確に応募者へ伝える方法のことです。効果としては、スクリーニングやコミットメントにつながるといわれています。

新卒一括採用においては、「想定外の配属」「想定外の仕事」によるリアリティギャップは大小問わず起きる可能性も高いからこそ、「伝える努力」が必要なのです。

最近は「口コミサイト」「OB/OG訪問」において、様々な情報を入手することができます。ショッピング的なキャリア選択をする学生には「誤魔化す努力」をするなら「伝える努力」の方が時代に合っているかもしれません。

そして「伝える努力」にあたっては「相手が知りたいことを、伝わるように伝える」がポイントになります。説明会においても「説明だけではイメージが湧かない」「実際に職場の雰囲気を知りたい」といった声もあります。

採用プロセスにおいて「伝えたことが伝わっているか?」を改めて振り返り、「動画」「職場見学」「社員との対話と協働作業」等々のツールも活用しながら「新たな伝える」を模索するのもよいかもしれません…

※「伝える努力」の一例:ジョブシャドウイング(働く仕事の1日に密着する)という手法を用いた採用動画

「内定者は、働くことを楽しみにしているか?」内定時代からはじめるキャリア開発

採用において手薄になりやすいのが、定着・活躍の支援です。そもそもの目標人数達成というKPIへのプレッシャーや採用と人材開発における部門の役割の違いが大いに起因しているとは思いますが…

昨今は売り手市場に加えて、転職へのハードルも下がっているため、「突然の内定辞退」「突然の転職」といったお悩みをお伺いすることも多くなりました。

これは、新卒一括採用がもつ「配属まで任される仕事がみえない」という特性や、新卒社員本人のリアリティショックへの耐性、現場の上司と新卒社員のキャリア観の違い等々、複数の要因が絡み合って起きています。

まずは何が要因となって起きているかを把握することが必要です。

そして「本人」へのアプローチとして一つあげられる支援が、内定時代からはじめるキャリア開発です。これまでキャリア開発といえば、節目に「経験の棚卸し」と「長期目標を考える」といったアプローチが主流でした。

しかし、日本の新卒一括採用においては、「Must(求められること)が配属までわからない」「求められることが明確に定義されない」「求められることが突然変化する(異動等)」といったことが起きてきます。

日本の職場環境において、自社内での中長期の目標を掲げることも大切ですが、所属する組織で、目の前のMustに対して「WILLを開発する(仕事への興味づけ)」と、「CANを開発する(能力を伸ばす)」スタンス形成が必要なのです。

そのスタンス形成には「意図的に気づかせる」アプローチではなく「気づく」アプローチが必要です。弊社においては、そのアプローチの一つとして、ジョブシャドウイングという「働く現場に1日密着し観察・質問をする」という手法を使って、仕事観をもった先輩社員に触れる機会をつくっています。

ジョブシャドウイングは、内定者からすると未知の部分が多い「働く」ということについて、「仕事とどのように向き合っていくべきなのか?」「自分にとっての“働く”とは何か?」という問いに対する現時点での最適解を考えるきっかけになります。そして「仕事観」をもった社員に触れる原体験は、「不安>楽しみ」を「不安<楽しみ」に転換する効果があります。

あくまで施策の一例にしか過ぎませんが、「内定者が、働くことを楽しみにしているか?」という指標は、自社を通じてキャリア開発をしたいという若手の絶対数を知ることにつながります。

毎年「綺麗な言葉で書かれた忘れさられるアクションプラン」が大量に生まれる中で、自社というフィールドで、期待感を持って成長を促すアプローチができているか?一度立ち止まって見つめ直すのも一つかもしれません。

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