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探究レポート

インターンシップ設計 事例

自社ならではのインターンシップで学生を惹きつけるポイントとは?〜マクドナルド流リーダーシップを振り返る〜

新卒採用の更なる早期化に伴い、年々重要施策として注目を浴びているインターンシップ。趣向を凝らしたものもあれば、単なる会社説明会のようになってしまっているインターンシップもあり、本来あるべき職業体験的な側面が欠如しているものもよく見受けられます。

そんな中、今回は学生の気付き・学びを綿密に設計し、自社ならではのインターンシップ企画にてご一緒させていただいた日本マクドナルド(株)の新卒採用担当、渡辺牧江さんと渡邉怜子さんとともに、インターンシップのあるべき姿について考えていきたいと思います。

渡辺牧江さん プロフィール
学生時代に3年間クルーとして働く。老若男女あらゆるクルーが働く店舗を見て「多様性ある組織の強さ」を実感し、2007年に入社。店舗勤務を経てハンバーガー大学に異動。2009年9月の組織再編により人事本部に異動。現在に至る。

渡邉怜子さん プロフィール
尊敬していた大学の先輩がマクドナルドに入社。「なぜ、マクドナルドなんだろう?」と思ったきっかけからインターンシップに参加する。成長実感を得て、そのまま2012年に入社。入社後は約5年現場を経験し、店長も務める。その後、人事本部に異動し現在に至る。

拘りの裏にあるインターンシップに馳せる想い

―今回「マクドナルド流リーダーシップ」をテーマにインターンコンテンツの設計をご一緒させていただきました。世の中的には、様々なインターンが溢れていますが、設計にあたって拘ったポイントを教えてください。

-玲子さん

多くの学生さんが、複数のインターシップに参加されると思うのですが、私は、その中でもマクドナルドのインターンシップが印象に残るようにできたらと考えていました。

印象に残るというのは、決して奇抜な仕掛けをすることではなくて、純粋にマクドナルドについて真剣に考え続ける時間を増やすという意味です。

インターンに参加している間は、学生さんの頭の中をマクドナルドでいっぱいにしていただきたかったですね。(笑)

―確かに今回は頭に汗をかくインターンでしたね。牧江さんはいかがですか?

-牧江さん

インターンシップの本来の意味は「職業体験」だと思います。

しかし今回のインターンでは「入社後の仕事の体験」ではなく、「入社後の仕事を通じて得られることの体験」をして頂こうと考え、設計しました。

そもそも“仕事”は長く働いてみないとわからないことがありますよね?それを1dayや2daysで多くの方に届けることは難しいからこそ、「仕事を通じて得られるもの」というコンセプトに拘りました。

そしてテーマにしたのが、マクドナルドの人材育成でも大切にしている「リーダーシップ」です。

マクドナルド流リーダーシップとは?

―マクドナルドさんで考えられている「リーダーシップ」を改めて教えてください。

-牧江さん

マクドナルドでは、リーダーシップを大きく7つの要素に分解して、現場で実践しています。

とはいえこの一つ一つの要素を伝えると頭が混乱してしまう可能性がありますので、今回のインターンシップでは、大きく「目的設定力」「考える力」「協働する力」の3つに定義しました。

また、このリーダーシップのスキルを伸ばすにあたって、基本的には仕事を通じて行動し、その行動を振り返ることで磨かれていくものだと考えていますので、そのあたりのコミュニケーションにも注意が必要でした。

これまでインターンシップというコンテンツに落とし込んだものはなかったので、今回Original Pointさんと、リーダーシップを磨いていく道筋を一緒に創っていけたのは良かったです。

―実際に、実施した後の手応えはどうでしたか?

-怜子さん

今回1dayと2daysがありましたが、ワークと振り返りがより多い2daysの方が、帰る時に満足した表情の学生さんが多かった印象です。

今回、ワークに取り組む様子から考察したアセスメントレポートを学生さんに渡していますが、中にはマークつけて読み込んでいる方もいらっしゃいました。

―そうですよね。アンケートでは、「他のインターンではできない成長が得られた」という声もありましたよね。

-牧江さん

「リーダーシップ」については、巷でもさまざまな定義があり、みなさん曖昧に理解されていたようなのですが、今回、深く掘り下げて考えたことで非常に勉強になった、という声もありました。

インターン後の面談等で、直接お話しを聞くこともできました。

マクドナルドに限らず、リーダーシップは社会人にとっても必要なスキルのひとつですので、マクドナルドを題材にした今回の学びを、どんどん活かしていただきたいですね。

ルール、トレンドは変わっても、大切にすることは変わらない

―「就活ルール廃止」「採用手法の多様化」等、採用トレンドは変化も激しいですが、今後仕掛けていきたいこと、採用において大切にしたいことを教えてください。

-牧江さん

そうですね。採用活動において一番大切にしていることが“相互理解”です。私たちが応募してこられ方をただ選ぶというのではなく、お互いにありのままを話し、彼・彼女らも100%納得した上で入社していただきたいと思っています。

ですので言葉としても、面接じゃなくて面談ですし、対話形式です。

このことは、これからもずっと大切にしていきたいですね。1対1でお話を聞き、彼らが考えていること、本当に言いたいことは何なのかを引き出しながら、そしてマクドナルドのこともさらけ出しながら、相互理解を図っていきたいと思います。

-怜子さん

クルーからの採用はより強化していきたいと思います。そのためには、まずクルーとして良い人材を採用し、その方が社員になられていく仕組みを創っていきたいですね。

就活ルールなどもありますが、これに左右されず、自分たちの強みを活かしながら採用活動ができる状態を目指したいです。

実は当社では、高校生向けのインターンシップも行っています。学校の授業の一貫として1週間インターンシップするという機会があるのですが、これとも上手く連携できたら、早くから社会に興味をもっていただくことができます。

商品としては誰もがご存知のマクドナルドですが、雇用ブランドとしてはまだまだ伸び代があると思いますので、社内外に向けてより多くの情報を発信し、ブランド力を高めていきたいと思います。

―最後に、我々に期待することや今後一緒に取り組みができたら価値があるなと思うことがあれば教えてください。

-牧江さん

改めてリーダーシップは社会人にとって必要なスキルであると実感しました。ますますこのリーダーシップをテーマにしたコンテンツを実施できたらいいなと思っています。さらにブラッシュアップしていきたいですね。

-怜子さん

お互い学生さんに接点がありますので、何かご一緒できたらいいですね。学生生活の中でも経験を通じてどんどん成長することができますので、学生さんの手助けができたらいいですね。

インタビュー後記

インタビューを通して、お二人の学生さんへの想いが非常に伝わってきました。また、会社として「ビープルビジネス」を掲げている通り、丁寧に人に向き合う選考プロセスも会社としての一貫性を感じます。

会社のことを一方的に押し売りするインターン、どこでもできるグループワークを体感するインターンではなく、その会社の個性を活かしたインターンが設計できると、双方の相互理解や学生の成長機会として価値があることを改めて実感致しました。

これからも「学生」と「学生」、双方にとって意義のあるインターンシップを模索していきたいと思います。

高橋 政成

高橋 政成

Masanari Takahashi

大学を卒業後、人事コンサルティング会社(株)シェイクへ入社。研修プログラム開発、コンサルティング営業として、100社以上の人材育成に携わる。トップセールスを達成した後、最年少マネジャーへ昇格。その後、既存事業と兼務で、大学向け教育の新規事業を立ち上げ。2016年、大学・採用・組織開発の領域から、新たな価値を創るためにOriginal Point株式会社を設立。

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