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TOP-探究レポート-コクヨ新卒採用担当者と考える「育てる採用」の意義と、これからの採用担当の役割とは?

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コクヨ新卒採用担当者と考える「育てる採用」の意義と、これからの採用担当の役割とは?

売手市場の加速化、新卒採用の通年化をはじめ、新卒採用担当を取り巻く環境は、厳しい状況にあります。そんな状況下において、どのように採用活動を進めていくことがベストなのか?他社の取り組みの模倣ではなく、自社なりの最適解を導くことが求められています。

本日は、リアルを伝えるための、インターンシップコンテンツの作成やジョブシャドウイング動画撮影にてご一緒させていただいたコクヨ(株)と一緒に、これからの新卒採用について考えていきたいと思います。

山本浩貴氏 プロフィール

2010年コクヨ(株)へ入社。ファニチャー事業部・関西営業部に配属され、6年間大手法人向け営業を担当。その傍ら、キャリアコンサルタントとしての資格を取得。自ら手を上げ続け、2016年より人事総務部 採用育成グループへ異動。現在は、HR部の新卒採用担当を担っている。

効率化が求められる採用の中での、コクヨ流の拘りとは?

―昨今、採用の通年化・多様化を感じていることかと思います。現状、どんなことに拘って採用活動をされていますか?

採用の通年化・多様化の一方で、採用担当者を減らし効率化も求められているのが、採用担当の置かれている状況だと感じています。その中で弊社では「育てる採用」をキーワードにしています。

このキーワードは、採用ポリシーで掲げているように「コクヨの選考は、一方的に合否をつける場ではなく、お互いの意見・考えを交換する場と認識し、建前ではなく、本音で語ります。」という部分に意味が込められています。

―なぜ、効率化が求められる中で「育てる採用」に拘ろうと考えているのですか?

今の就職活動の環境でいくと、情報も溢れていますし、売手市場で内定を獲得しやすいですよね。ただ、それって自律的に考えて決断したキャリアではなく、誰かの情報に流されて決めたキャリアかもしれない。

それが結果的に個人のキャリアへの満足度を下げることにつながり、本人は勿論、会社や社会にとってネガティブな状況を生み出すことにつながるかもしれない。

だからこそ、採用活動通じて、学生自身がキャリアと向き合う機会を提供していくことが大切だと考えています。

―「目標人数の達成」だけではない採用は、社会的にも意義がありますね。

勿論、優秀な学生にコクヨにきてもらうという目標は第一義ではありますが、会社都合の採用活動では、誰にとってもメリットは生まれないですよね。

だからこそ、サマーインターンから本選考までの期間に、自律的に学べる機会を提供しているのもその一つなんです。また、選考プロセスの中では、こちらも本音でぶつかっていきますし、キャリアカウンセリングのような接し方もしていきます。

これだけ聞くと慈善団体のように聞こえてしまうかもしれないですが、弊社にとっても「覚悟を持って入社をしてくれる」「入社した後も自律的にキャリアを考えてもらえる」といったメリットがありますね。

結果としても、19卒採用は内定承諾後の辞退がほとんどおらず、適切なマッチングができている手応えも感じています。単なるラッキーかもしれませんが…(笑)

待っているだけでは伝わらない?「攻めの採用活動」で大切にしていること

―近年、内定辞退者も多い中でほとんどいないのは素晴らしいですね。しかし、その採用スタイルを貫くには工数過多になりませんか?

想いが強くなってしまい、色々なことをやりたがってしまう点は、反省している部分でもあります。だからこそ、単純に採用目標を充足させるためだけの支援ではなく、学生のキャリア支援に重きを置いている御社のようなパートナーさんと仕事ができると、我々の想いを企画としてカタチにしていただけるので、工数を削減以上の価値を提供いただけて助かっているなと感じていますね。

あとは、普段だとなかなか会えない志向性の学生に、ピンポイントで会いに行く「攻めの採用活動」も大切にしていますね。

やはり世の中的には「コクヨ=文房具」という認知が強いんですよね。

ただ、弊社としては「人の創造性、考えるという行為の質をどれだけ高められるか?」という部分が事業の根底にあります。単に文房具を売りたい訳ではなく、根底にある想いを実現するための「ステーショナリー事業」「ファニチャー事業」「オフィス通販事業」という3つの事業があって、色々なチャレンジを積極的に行っている。そういったリアルを積極的に伝えていく必要があります。

だからこそ、「待ちの採用活動」だけだと伝わらないコクヨ本来のリアル(ポジティブ&ネガティブ)を個別に伝えていく活動にも拘っています。

これから目指すべき採用活動とは?

―Original Point(株)としては、ジョブシャドウイング動画やインターン企画、PBLでご一緒させていただきました。ご一緒させていただき、率直にどうでしたか?

想像以上に考え方、価値観が似ているなと感じています。弊社が伝えたいことと、御社が大学向けの事業で伝えているメッセージやアウトプットと一致していて、単なるパートナーではない関係性を築けている感覚があります。

インターンシップやその他イベントの企画・相談/依頼したコンテンツに、都度弊社が普段から学生に対して発信しているメッセージが入っていることに驚かされましたね。我々の想いをカタチにしていただけるので本当に助かっています。本年度、採用担当者の人数も大きく変わらない中で、多くのイベントを実施できたのは間違いなく御社のおかげですね。

―それは、率直に嬉しいですね。今後、我々と「こんなことに取り組めたら、価値があるな」ということはございますか?

どんなことができると、楽しいですかね?もっと生っぽい、リアルな話をする場なんて作れると面白そうですね(笑)。

そもそも、大人って学生からみて格好良くないといけないんですかね?

泥臭く、汗かきながら、もがきながら頑張っている大人ってたくさんいますよね。それって別に格好悪いことではなくて真っ当なことだと思うんですよ。

効率的に仕事ができて、ライフを充実させることだけが全てではない。就社しないといけないという意識を払拭できて、本当の意味での就職ということを考えられる学生が増えるといいなと思いますね。

将来に迷うなんてことは、30代の大人でもある訳で、フラットにキャリアについて考える機会を企業と大学が一緒につくっていけると面白いですね。

―最後に、人事部における新卒採用担当の役割は各社によって様々かと思いますが、今後、どんな役割を担い、採用活動を進めていかれたいですか?

会社に言ったら怒られるかもしれませんが、採用担当者というより、キャリアコンサルタントでいたいなという想いはありますね。役割というか、スタンスとして。

本当に大切なのは、目の前の学生本人のキャリアにどれだけコミットできるかが勝負だと思っています。フラットに話したいですし、フラットに話を聞きたいですよね。

美談を語って採用するのは嘘だと思うんですよ。世の中そんな楽じゃないですし、私にはカッコイイキャリア論は伝えられない。だからこそ、企業として、個人としてのリアルを伝えて、お互いの方向性を確かめ合う。そんな役割を担っていきたいですね。

※コクヨでのジョブシャドウイング動画

インタビュー後記

インタビュー終盤「しんどいですよね、正直仕事って・・・けど、“1”の楽しいで頑張れるのが仕事だと思うんですよ。この“1”の甘さの糖度をどれだけ上げられるかは自分次第で、これができたら、ほんと楽しいですよね」

という山本さまが漏らした言葉は、まさに“仕事のやりがいの本質”だなあと感じました。

学生にリアルな魅力を伝えていくことって「“1”のやりがいとその裏にあるしんどい」両面を伝えていくことだなと…

ここにスポットライトが当たるよう、弊社としてもこれからの採用のあり方を探求していきたいと思います。

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