新卒採用支援 事例
新卒採用に動画を活用してリアルを魅せる?〜技術職採用とジョブシャドウイング動画〜
動画は、視聴する時代から投稿する時代へ。YouTubeだけではなく、InstagramやTikTokなど、動画コンテンツを投稿できるSNSが流行していることもあり、学生にとって身近になっている動画。新卒採用市場においても、YouTubeやSNSに流れてくる動画広告をきっかけに企業を知る就活生が増えてきています。
今回は、そんな時代に合わせた採用動画制作でご一緒させて頂いたシチズン時計株式会社 人事部 人財開発課の石井裕己さんと四塚翔子さんとともに、採用広報におけるジョブシャドウイングの活用について考えていきたいと思います。
石井裕己さん プロフィール
2008年に大学卒業後、就職情報会社に入社。新卒採用領域にて3年間営業に携わる。2011年、人事採用担当としてSIerに転職。丸7年間、採用業務に従事。2019年、採用担当としてレベルアップを目指し、異業種であるシチズン時計に入社。
四塚翔子さん プロフィール
2017年に新卒入社。入社後3年間、新卒採用を担当。就活時、日々新聞をチェックする中で自分の興味関心は、ものづくりや新しい技術等にあることに気づき、世界に誇れる技術力を持ち、様々なバックグラウンドを持つ社員が働くシチズン時計へ入社を決める。
社員が働くリアルを地方学生にも届けたい
―新卒採用にあたって、大切にしていることについて教えて下さい。
-石井さん:他社から転職してきて一番感じるのは、人対人のコミュニケーションの手厚さですね。説明会等、たった1,2回の接点しかなかった方でも、「○○さん」対「シチズン時計の社員」という付き合い方ができているのには驚きました。
前職だと、選考の早期の段階では「1000人の母集団」対「会社」という感じだったのですが、シチズン時計の採用担当や社員たちは、一人一人と丁寧に向き合っているなと感じます。
-四塚さん:そうかもしれないですね。「人物性を重視した採用」に拘っていますが、会社の風土が影響していると思っています。シチズン時計単体だと、従業員数は約900人の中規模会社で、顔を見て近い距離で仕事をすることが癖づいているなぁと感じています。そのため、機械的なコミュニケーションよりも人対人を大事にしているのだと思います。
―新卒採用を推進される中で、動画制作に至った背景について教えてください。
-四塚さん:大きく2つありまして、1つは、地方の学生にもシチズン時計のことを知ってもらいたいと考えていたことです。弊社は、採用の拠点が東京にしかなく、必然的に地方学生へのアプローチ機会が少なくなってしまいます。そのため、会社のイベントに足を運べない人にも、動画を通してシチズン時計のことを知ってもらいたいと思いました。
2つ目としては、就活に関する情報が溢れている昨今において、より質の高い情報を伝えていきたいと思ったことですね。会社説明会や口頭で伝えるよりも、社員が働く様子を動画で見ることができ、リアルな情報を学生にお伝えしたいという想いがありました。
―「シチズン時計」として商品は知られていても、実際の業務内容がなかなか伝わりにくいという課題もありそうですね。
-四塚さん:そうですね。学生の皆さんにはもっと視野を広げて、「企業理解」だけでなく「業界・業種への理解」を深めていただき、その会社で働く姿がイメージできるか?考えていただきたいと思っています。
そのことで、より適切なマッチングが行われ、学生にとっても企業にとっても理想的な新卒採用に近づけると思っています。
今回、ジョブシャドウイングという手法を活用した、御社の動画制作を採用したのは、よりリアルな情報発信ができると感じたからです。単なるインタビューではなく、”働いている社会人の1日に、学生が密着する”というコンセプトには非常に共感致しました。
より適切なマッチングへの大きな一歩が踏めると考えていました。
仕事を追体験できるコンテンツはジョブシャドウイングならでは
―「インターンシップ」とは違う新たな手法「ジョブシャドウイング」について、実際に取り組んでみていかがでしたか?
-四塚さん:インターンシップって、長期の2週間のものだとしてもプログラムを組むので、実務に近い内容だけど実務とは違うんですよね。やっぱり、ジョブシャドウイングの方がよりリアルな仕事内容を魅せることができましたし、それが良かったと思っています。
会社紹介や事業所見学はどうしても作られたものになるので、嘘はもちろん伝えていないものの、少なからずギャップを引き起こしてしまうと思います。
それを、社員の後ろに付いて追体験するというのは、会社の内部も見られて、特に質問が多い「社内の雰囲気」や「業務イメージ」を立体的に感じ取ることができるので、一つこのようなコンテンツを作れて本当に良かったと思っています。
―今回は特に技術系の職種にフォーカスを当てましたが…
-石井さん:今回は、設計開発・生産技術・研究開発と3職種を撮影しました。技術職はこういう切り口であることを立体的に伝えられ、それぞれの職種の色をしっかりと出せたのではないかと思っています。
設計開発は、PCを使った設計の部分を魅せ、生産技術はロボットというテーマを魅せ、研究開発は職人技術を追究していく様子を魅せ、それぞれの色を出す部分は特にこだわりました。
採用の未来、企業としても柔軟に動き挑戦を。
―採用手法も多様化し、採用トレンドの変化も激しいですが、今後仕掛けていきたいこと、採用において大切にしたいことを教えて下さい。
-石井さん:昨今、リアル感や没入感があるコンテンツが非常に増えてきたなと感じています。これは採用市場だけでなくて、メディア全体的にそうなってきていると思います。
今からの時代は5Gも登場しますし、映像の部分がより大きくなってくる。そのため、今回のジョブシャドウイング動画を皮切りに、リアル感・没入感のある動画コンテンツを新卒採用においてもどんどん提供できると、志望者のシチズン時計に対する理解度も上がりますし、近年注目され始めている「共感」をキーにした採用マーケティングにも挑戦していきやすくなるのでは?と考えています。
-四塚さん:採用手法が多様化する中で、『リアルで会うこと』も大切にしていきたいと思っています。実際に会社に足を運んで社風を感じてもらったり、社員との会話を通してシチズンの価値観を理解してもらったり…。
逆に、就活生との会話を通して、今の学生さんたちがどのようなことを考えているのか?何を大事にしているのか?を教えていただいたり…。当社が大切にしている『人』対『人』 のコミュニケーションをしっかり続けたいと思います。
―ちなみに、ジョブシャドウイング動画は今後どのように活用していく予定でしょうか?
-四塚さん:今のところ、弊社に興味ある学生にしか配布できていないので、高校生も含め、働くってどういうことなのかな?と考えている子達にも見てもらいたいと思っています。
―最後に、我々に期待することがあれば教えて下さい。
-石井さん:“学生に対して不誠実な採用活動”をしている企業って意外とまだまだあると思うんですよね。綺麗な部分だけ見せて、学生はそこに惹かれて入社したものの実態とのギャップを感じて…という悪循環。
そこに対して、ぜひ“誠実な採用”をさせるという部分を、『ハタチのトビラ※』というサービスを通して、旗を掲げて担っていただけたらと期待しています。
-四塚さん:冒頭で動画制作に至った背景をお話させて頂いたのですが、ファーストステップとしては、やっぱり『ハタチのトビラ』のコンセプトに共感したからなんですよね。
他の動画制作会社さんからもいくつか動画制作のご紹介を頂いたのですが、だいたいが「社員インタビュー動画を通して母集団を増やしましょう」というご提案だった中、『ハタチのトビラ』は、学生にきちんとキャリア観を持ってほしいという、サービス立ち上げの背景が素敵だなと思って、ご依頼させて頂きました。ぜひこれからも頑張ってほしいです。
※Original Point(株)が提供する学生向け早期キャリア観育成サービス。企業側は、ジョブシャドウイング動画を制作することによって『ハタチのトビラ』のHPに動画を掲載することができる。
インタビュー後記
よりリアルな仕事内容を、地方も含めた学生に届けていきたいという理由で制作に至った、今回のジョブシャドウイング動画。改めてインタビューさせていただき、弊社を選んでいただいたきっかけをお聞きして、図らずも嬉しく思いました。
人対人を大事にし、丁寧なコミュニケーションをとる社風と、そこに紐付くシチズン時計の採用活動。このジョブシャドウイング動画が、学生-企業の相互理解の一助になればと思っております。
弊社としても、学生-企業双方にとって価値ある新卒採用になるよう、『ハタチのトビラ』サービスの充実を進め、学生のキャリア観育成と入社後の活躍につなげていく後押しができればと思います。
関連記事
Mizuki Muraoka
村岡 瑞妃
大学卒業後、1年間東京都の小学校教員として担任を務める。その後、エン・ジャパン(株)に転職し企業の採用支援や評価・教育研修サービスの提案営業を行う。現在は、Original Pointへ参画し、大学キャリア教育や新卒採用領域の事業推進に携わっている。