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産学連携型アントレプレナーシップ教育!食×DtoCビジネスを立ち上げるプログラムとは?日本大学での取り組みを振り返る。

アントレプレナーシップ教育の最前線!食×DtoCビジネスを立ち上げる日本大学での4日間を振り返る

日本では起業家精神 / 起業家的行動 といった定義されるアントレプレナーシップですが、歴史を確認すると、さまざまな学者から多様な定義付けがなされています。アントレプレナーの元々の語源はフランス語の「entreprendre」(始める、企てる)ですが、現在において捉え方は様々です。

昨今、アントレプレナーシップ教育というキーワードを起点に、起業をするか否かにかかわらずこの力が普遍的に求められるという理由から、高校・大学の教育の現場においても注目され始めています。

今回は、「食をプロデユースする人材」を育てることを目指す、日本大学生物資源科学部食品ビジネス学科で実施した、4日間で食×DtoCビジネスの実践の紹介から、アントレプレナーシップ教育の論点について整理していきたいと思います。

 

産学連携型のアントレプレナーシップ教育の最適解と4つのSTEP

“食で人を幸せにするD to Cビジネスを創出する”をコンセプトに4日間で行われたフードビジネスチャレンジプログラム。

DtoCとは「Direct to Consumer」の略で、サービス提供者自らが商品の企画、製造、販売などを行い、中間業者や小売店を通さずに直接、消費者に販売するビジネスモデルのことです。

食のDtoCでいうと、フレンチ出身のシェフ田村浩二氏が、オンラインで手がけるチーズケーキ専門ブランドですMr. CHEESECAKE(ミスターチーズケーキ)が有名な成功事例の一つです。本プログラムは、大手企業でのDtoCビジネス立ち上げ経験者、スタートアップベンチャーの立ち上げ経験者をはじめ、様々な食のプロと連携しながら実施しています。

本プログラムの特徴としては、机上のアイデア発表会で終わらないよう、これまでの学科の学びと働くを接続し、卒業後のキャリアにつながる実利的な学びを持ち帰ってもらうことをねらいに4つのポイントを意識して設計しています。

Step1:参加学生の学科での学びが活かすために、立案するビジネスモデルを食×DtoCに絞ること

ビジネスモデルの自由度を持たせてしまうと思考の幅が広がり、学習項目も増えるるため、食×DtoCという一つの制約の中で考えるということが一つの特徴です。約80名を超える参加学生は、これまでの大学での学びを通じて得た食に対する問題意識や理想の提供価値を事前課題で考えることからプログラムが始まります。

 

Step2:グループワークのプロセスを体系化し、0から最適解を見出す術を持ち帰ること

答えのない問いと向き合う今後の社会人生活に向けて、正解が1つに決まっていない問いに向き合うプロセスから再現性のある学びを持ち帰ってもらうことは重要です。抽象度が高いテーマに対して、「幅のある時間」と「属人的なフィードバック」だけでは、再現性のある学びを持ち帰ることは難しくなります。

そのため、チームビルディングから始まり、情報収集、理念の設計といったプロセス毎に、学習と議論を繰り返し、サービスの輪郭をつくっていきます。

 

Step3:大手、ベンチャー、個人による事業立ち上げ経験者の事例から、ビジネスとキャリアの解像度を高めること

「実際の経験者がどのようなプロセスでサービスを立ち上げたのか?」 「その中での持論は何か?」 といった一連のプロセスを咀嚼するために、様々な立場の事業経験者から学びを得るセッションを4日間連続で設計することも特徴の一つです。

卒業生である(株)心電の郡司淳史さんには、お茶をハガキで届けるVAISAの立ち上げを、個人で0からどのように立ち上げたのかを講演いただきました。また、日本ハム(株)高崎賢司さんには、大手企業がDtoCに取り組む意義やそのプロセスや、実際の商品の一つであるDRY MEATSも提供いただきました。

 

Step4:プロセスを通じて、自分の強み・課題の認識や今後のキャリアを考える機会をつくること

毎日の授業後には、経験学習を回す機会や相互にフィードバックをすることで、自分の強み・課題を具体化していきます。

グループワークの振り返りを行い、個人としてグループに対してできたこと、できなかったこと、翌日どのようなリーダーシップを発揮するのかを言語化していくことで、サービスだけではなく個人としての力を磨くことも大切にしています。

また、様々な食のプロフェッショナルと対峙する経験から、自分がこれからのキャリアをどう歩んでいきたいか?という未来のキャリアに接続していくことも大切にしています。

 

学ぶと働くを接続するために

本プログラムは、当学科で1992年から続く食品ビジネス特別講義(大手食品企業の役員などを中心とした講義及び関連施設見学をする特別授業)を、2023年度に学科創立80周年を迎えることなどから、学科としての大幅リニューアルの一環でつくられたプログラムになっています。

Original Point(株)としても、そういった意義のあるプログラムに携われたことを嬉しく思っています。大学での学びを机上で終わらせずにアウトプットするためにも、学ぶと働くの機会がシームレスにつながる機会を今後も創っていきたいと考えています。

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