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就活や働くをポジティブに「ハタチの選択〜明治大学編〜」開催レポート

忙しい年度末年度初め、大学職員や大学キャリア教育に関わる方の中には、「学生の長期休みだからガイダンスやイベントを仕掛けたいけれど、工数が足りない…」「学生集客ができるイベントってどんな企画?」という悩みを持っている方も多いのではないでしょうか?

Original Pointでは、2024年3月22日(金)明治大学で「ハタチの選択」を開催
明治大学OGOBのみなさんをはじめ、多様なキャリアを歩む社会人ゲストにお越しいただき、自分自身の将来の選択肢を知る×同世代と対話する=ハタチ世代の未来に効く選択と行動について考えました。

明治大学文学部・政治経済学部・情報コミュニケーション学部の1、2年生を対象として、延べ380名の学生が参加しました。
参加者160名弱、満足度97%以上となった「ハタチの選択」をレポートします

A-1,3 自己分析のトビラ     自己分析ワークショップ
A-2       働くのトビラ   起業 vs 転職 vs 1社勤め(副業)
B-1   働くのトビラ    大手 vs ベンチャー
B-2   働くのトビラ         休学 vs 留学 vs 学生団体
B-3   就職活動のトビラ  元人事対談

 

目次

  1. 大手=安定、ベンチャー=成長って本当?思い込みの企業選択を抑制する
  2. 起業/転職/副業イメージの外にある選択肢に触れる
  3. 学生生活と就職→働くの繋がり
  4. 元人事のホンネから、本質的な就活の進め方を知る
  5. 納得したファーストキャリアを見つけるための自己分析

 

1. 大手=安定/ベンチャー=成長って本当?思い込みの企業選択を抑制する

本セッションでは、「大手とベンチャーの違いとは?」という問いから、それぞれの定義を確認することから始まりました。大手からはコクヨの春山えみりさん(明治大学OG)、ベンチャーからはアイグッズの大城早紀さんをお迎えし、以下をテーマに、お話を伺いました。

 Q. おふたりが考える「大手」と「ベンチャー」の違いって何?
 Q. 「大手=安定」「ベンチャー=成長」は本当?

社内転職/サブ活動をしやすい大手企業、変化を楽しめるならベンチャー向きか

大手の立ち位置からは「自分の好きな事、サブの活動をやりたいなら大手向き」、ベンチャーの立ち位置からは「変化を楽しめるならベンチャーがおすすめ」などの意見が語られました。大城さんからは、「先生から宿題をもらうのが大手、自由研究がベンチャー」と言った表現でベンチャーの「仕事はとってくるもの」という仕事への向き合い方についても語っていただきました。とはいえ、上記のような傾向があるだけで、自由研究のように抽象的なお題から課題解決をするような仕事は規模・フェーズを問わずあるとのことでまとめられました。

大手もベンチャーも少なからずガチャはある

学生が気になるポイントの1つである「配属ガチャ」「上司ガチャ」については、大手コクヨ春山さんの立ち位置からは「実際、ガチャはあるが、いい意味で言うと事業が多くあるため、toB・toCなど、転職せずとも異なる事業・職種の経験をすることができる」、ベンチャー大城さんからは「ガチャは0ではないが、自分が第一人者になって自分で決断をする場面が多いため、配属だ上司だ〜といったことは気にならない」といった言葉が聞かれました。

 

2. 起業/転職/副業イメージの外にある選択肢に触れる

本セッションは、「人生100年時代…自分にとっての安定とは何なのか?」というファシリテーターの問いからスタート。アオイエ代表取締役の巴山雄太さん(明治大学OB)、マネジメントソリューションズの滝川寛子さん、サイボウズの松井隆幸さん(明治大学OB)の3名をゲストにお迎えし、以下をテーマに、お話を伺いました。

Q.なぜその働き方を選択した?
Q.その選択肢に向いている⼈・向いていない⼈の違いとは?

 

起業・転職・1社勤め+副業の働き方を選択した理由

働き方を選択した理由について、起業の巴山さんは「自己実現に必要なことは何か?それが企業の中と外、どちらにありそうか?を考えた際、外にあった。起業はあくまで手段」といったことが語られました。
昨今当たり前になりつつある転職の立ち位置からは、「2度の転職動機は、不満ではなく新たな興味。美味しい所を取り続けられるのが転職」といったことが語られました。
また、サイボウズに10年間勤めている松井さんからは「1社勤め+副業はビビりな自分にちょうどいい。起業・転職は少し勇気がいるけれど、少しずつキャリアの幅を広げることができる」と学生のイメージとは少し違った視点で働く選択肢についてのトークが行われました。

働き方選び=「やりたいこと」「在りたい自分」の実現手段を選ぶこと

それぞれの選択肢に向いている人について、「たとえ一人でも夢の実現のために頑張れるなら、起業に向いている」「転職で苦しまない人は、好き嫌いがはっきりしていて、新しいカルチャー・人間関係へ適応していける人」「お金稼ぎのための副業は苦しい…好きでつい続けてしまっている趣味がいつの間にか副業に繋がることも。お金目当てというより好きを探究した方におすすめ(学生時代も好きを探究することが副業への準備にもなる)」といった話が展開されました。

3. 学生生活と就職→“働く”の繋がり(休学vs留学vs学生団体)

本セッションでは、「変化が激しく終身雇用が形骸化しつつある世の中において求められるものとは?」という問いから学生生活を考えてみる、そんな導入から始まりました。CryptoGamesの石井勝猛さん(明治大学OB)、ヒトカラメディアの白石優美さん、CRAZYの吉田勇佑さん(明治大学OB)の3名をお呼びし、以下の問いをテーマに、お話を伺いました。

Q.大学生活と「働く」、どう繋がっている?
Q.周りと違う選択は不安…どうやって一歩踏み出した?

目の前のことに全力投球することで、キャリアのヒントが見えてくる

学生生活と「働く」の繋がりについて、2年休学して長期インターンや海外経験をした石井さんからは「長期インターンにじっくりコミットしたら、働くにあたって大事にしたい想いが見えてきた」と語られました。
留学経験のある白石さんからは、「留学へ行き、選択肢の狭さに気付き教員志望を変更。自分の想像の外に選択肢があることを知ったことが今に活きている」学生団体での経験がある吉田さんからは「学生団体で出会った協賛企業とのコミュニケーションで、リアルな社会を知るきっかけになった」と、それぞれの経験と今の繋がりについて語られました。

「正解」「普通」っぽいレールから、はみだせ!

それぞれ、後悔しない大学生活を送るコツとして「同じ経験をした人に頼りつつ、最後は自分の選択に責任を持ち、やり遂げようとすることが重要」「行動する目的が定まらなくても「~してみたい」で動いてみると、失敗も成功も全て経験値となっていく!」といったように、周りとは違う選択肢をとることへの不安を持つ学生の挑戦の後押しとなるような言葉を送っていただきました。

4. 元人事のホンネから、本質的な就活の進め方を知る

本セッションでは、JCBの清水祐太朗さん、大手食品メーカーの井上真理子さんの元人事2名をお呼びし、以下の問いをテーマに、現役人事では中々伝えられなかった就活の裏側をお話しいただきました。

Q.⼈事を担当されていた時に⼀番感じた、就職活動において知っておいてほしいことは?
Q.ぶっちゃけ、⼈事経験者だからこそ感じる就活に向けて準備しておいてほしいことは?

企業のそれっぽい情報で納得するのは危険!

JCBの清水さんからは、「“安定している”や“成長環境がある”などの、人事のそれっぽい情報に流されないで!」と警笛を鳴らしていただきました。大手食品メーカーの井上さんからも「企業人事は見せるプロである。嘘は言わないが、切り取り方が上手なのは当たり前。」といった声が聞かれました。

例)こんな情報には注意!
男性育休100%       → 取得日数は?
成長を後押しする社風  具体的には?雰囲気だけではないか?

学生から元人事のお二人への質問にぶっちゃけ回答!

Q. 就活本や面接のテンプレって受けがいいの?
Q. 志望動機の具体性、他社に通じない唯一無二の志望動機を作るには?
Q. 資格を持っていると就活に有利に働く?
Q. 逆質問で印象に残ったものはある?

元人事担当だから話せる採用の裏側、気を付けるべきポイントをぶっちゃけトークしていただきました。

5. 納得したファーストキャリアを見つけるための自己分析

本パートでは、自己分析の目的 / 自己分析の3つのポイント / 強みについて解説しました。「あなたの強みってなんですか?」と問われると誰にも負けない強みを伝えなければならないと勘違いする学生も多いですが、強みは、「複数の強みの掛け算=自分らしさ・自分の強み」。多面的に見ることの重要性を伝えました。
その後、自分の経験から紐づく強みについて言語化するワークを実施し、それぞれの強みについて言語化しました。

参加した学生の声

イベントに参加した明大生より、たくさんの気づき・感想をいただきました。一部をご紹介します。

・「初めての就活イベントだったが、色々初めてきいて就活はそんなに怖いことではないのかもと思えた」
・「ファーストキャリアの重要性や、大学生活で何を頑張ればいいかがイメージできた」
・「ネットや本だけでは得られない、少しぶっちゃけた内容についても知ることができ、大変参考になった」
・「身近な経験でも自身の強みは見出せると知り、今後はもっと特別な経験というよりも当たり前と思いがちな行動に注視して生活したいと思った」

明治大学OB ハタチの選択ゲスト 株式会社CRAZY 吉田さんから

学生生活をデザインできることこそ、「ハタチの選択」の意義

Q. イベント当日を振り返っていかがでしたか?

まず、私が楽しかったです(笑)。ゲスト自身が楽しいと思えることは、働くことや社会人になることが楽しいと思えることに繋がります。参加した学生たちが、一生懸命聞いてくれたのも印象的でした。

Q. 人事経験も豊富な吉田さんからみて、「ハタチの選択」のイベントは率直にどう思いましたか?

「就活の手前段階で、社会の選択に出会うことができる」本質的な機会だと思いました。大学1、2年生の春休み、次の1年間を考えるこのタイミングに学生生活をデザインできる。キャリアデザインに繋がる企画だということがとても素敵だなぁと。就活にあえて紐づいていないことが、キーですよね。他の就活イベントにはない、学生生活の充実度が増すきっかけ、そんな機会にご一緒できたのではないかと思います。

明治大学職員 滝さんから

次の1年を考える春休みに。年度末の3月に実施した意義

Q.この企画はどのように始まったのですか?

1年間を振り返り、未来を考えるきっかけが作れたらいいなと思いはありつつ、年度末年始の時期に大きな企画に挑戦したことがありませんでした。
学生にとって必要だけれど、就活準備をせよ!と就活をあおることはしたくない…そんな想いをOriginal Pointさんに伝えてのスタートでした。

200名弱の学生が集まり、満足度も97%以上の学内イベント

Q.企画からイベント当日を振り返って、どんなイベントになったと思いますか?

結果的には延べ380名の学生が集まり、満足度も97%以上、学生のきっかけを作る面白いイベントになったなぁという感触です。学生のニーズを考慮した企画(自己分析ワークやvs構造の立て付け)ゲストアサイン、当日セッションの進め方を含め、結果として想像以上のものになったと感じています。
改めて、学生のうちに多様な大人とフランクに接する機会を作ることが“働く”を前向きに捉えることに繋がることを感じた次第です。

Q.今後へ向けて、学生にとってどんな機会を創出したいですか?

Original Pointさんにはイベントだけでなく、キャリア講座、長期休みのインターンシップなど年間を通じて、大学としての学生支援に携わっていただいています。今後も、大学だからこそ作れる、本質的な支援の機会を作っていけたらと思っています。

編集後記

もっと就活前に自走できる学生が増えたら…個別の就活支援の前にできることってあるのだろうか…?その答えの一つは、就活や働くが前向きになるような出会いを作ることなのだと改めて実感したイベントでした。

明治大学の滝さんが仰るように、「早く就活せよ!」とあおる前に“自分と社会の距離が縮まる機会”を作ることが重要です。
今回のハタチの選択では、世の中に“正解”と言われるものは大抵ない中で、あえて、どちらの選択肢が自分に合うか検証するようなコンセプトを設定いたしました。
自分にとっての“正解”っぽいものを選ぶには、選択肢を知ること、そして選ぶ判断軸を知ることから始まる。「営業職って数字に追われて大変なんでしょ?」「あの業界はブラックらしい?」といった社会的イメージではなく、社会人からリアルな“働く”を1次情報として知ること。ロールモデルを通じて選択肢を知り、仮決定して動いてみる。これが、自分の可能性をつくっていきます。

Original Pointとしては、今回のイベントに限らず、授業・ガイダンス・インターンシップ・動画制作等、“自分と社会の距離が縮まる機会”を作り続けていきたいと思います。

 

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