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問いがつなぐ出会いと対話。「“問い”からひらく、これからのキャリア教育」Talk&Meet #01 開催レポート
2025年6月4日、下北沢のイベントスペース「n.5(エヌテンゴ)」にて「“問い”からひらく、これからのキャリア教育」と題したミートアップイベントを開催しました。
「あなたは今、何を探求していますか?」──
そんな問いからはじまった今回のミートアップ。教育や採用に関わる人を中心に、キャリア教育に関心をもつ23名の社会人が集いました。
キャリアと教育の“すき間”に、問いを立てる
オープニングでは、Original Point 代表・高橋が「ケーキ屋になりたい小学生はいるが、コンサルタントになりたい小学生は見たことがない。早期にいろいろな選択肢に触れることが、若者の可能性を広げるのではないか」と、自身の原体験に触れながら、事業を通じて実現したい想いを語りました。
大学広告市場が340億円にのぼる一方、キャリア教育市場はわずか13億円。本腰を入れてキャリア教育に取り組む事業者は、決して多くありません。
こうした業界構造をはじめとする多くの課題に向き合い、意見交換を通じてキャリア教育の価値と未来を探っていくのが、今回の「“問い”からひらく、これからのキャリア教育」です。
交差した問いと、広がる仮説
参加者たちは、配られた付箋を使って思い思いに問いを立てていきます。
「学生に対して、キャリア教育の価値を伝えるきっかけをどう作る?」
「キャリア教育は、教育の外から見てニーズがあるのか?」
「長期的なキャリアを考える上で、一番大事なことは何?」
日頃から感じていた難しさやモヤモヤを可視化して共有すると、他の参加者から「まさに同じことを考えてました」「これは本当に課題ですよね」などと共感の声が上がります。
同時に「こういうケースがありました」「こうすれば解決するかも」といった参考事例やアイデアも寄せられ、テーブルごとに盛り上がりを見せました。
ワークの後は、テーブルごとの問いを集約。大手の元採用担当がファシリテーターとして壇上に立って、全体で問いを共有する時間を持ちました。
「長期的なキャリアを考える必要はあるのか?」
という問いを受け、どう思うかを参加者に投げかけてみると、目標から逆算して今を考えると良いと考える「長期派」が4割、現在地から興味や出会いを積み重ねた先に将来があると考える「短期派」が6割という結果でした。
それぞれから具体的な体験や意見を聞いていくと、変化の多い現代において長期的な目標を定めるのは難しいし達成困難と考える人がいる一方、転職市場では第二新卒が「ファーストキャリアを適当に決めすぎた。長期的なキャリアを考えたい」と悩みを打ち明けるパターンが多いことがわかりました。
また、人によって「何年先を“長期”と考えるか」が異なることなど、多様な捉え方を知る機会に。「まずは、そうした“違い”に気づくことこそ、キャリア教育の出発点ではないか。仕事を通じて、それぞれの価値観に合った最適なアプローチを探っている」 ──
そんな実体験に基づいた意見も出され、議論は熱を帯びていきました。
あっという間に時間は過ぎていき、イベントの締めくくりには「今、探求したいと思った問い」を書き出す個人ワークを行いました。それぞれの経験や想いがにじんだ“問い”が、次々と壁に並んでいきます。
参加された方からは「普段出会えない問いに触れることができ、刺激的な時間でした」 「キャリア教育への関心度の高い方々と、こうしてじっくり話せる場は貴重でした」といった嬉しい声が寄せられました。
イベント終了後も、時間の許す限り語り合い続ける方がほとんどで、新たなつながりが自然と生まれている様子です。
私たちはこれからも、“問い”を出発点に、学ぶことと働くことの接点を探る実験を続けていきます。
ご参加いただいた皆さま、本当にありがとうございました。またどこかでご一緒できる日を、心から楽しみにしています。
Original Pointでは、共にキャリア教育の未来を作る仲間と、現場に届ける講師を募集しています。「会社についてもっと知りたい」「話してみたい」という方は、ぜひご連絡ください。下記リンクから詳細をご覧いただけます。
Masanari Takahashi
高橋 政成
大学を卒業後、人事コンサルティング会社(株)シェイクへ入社。研修プログラム開発、コンサルティング営業として、100社以上の人材育成に携わる。トップセールスを達成した後、最年少マネジャーへ昇格。その後、既存事業と兼務で、大学向け教育の新規事業を立ち上げ。2016年、大学・採用・キャリア開発の領域から、新たな価値を創るためにOriginal Point株式会社を設立。