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探究レポート

キャリア教育 RJP×採用広報動画 20代のキャリア開発

2020の『大学キャリア教育』『新卒採用』『企業内キャリア開発』を考える

「13億という切磋琢磨が起きない大学キャリア教育市場」 「素直にすごいなあと思うプロダクトが生まれる傍ら、学生1人100万前後で人身売買される残念なサービスも蔓延する新卒採用市場」 「ポリシーが存在する会社がある一方で、それっぽい“研修”でもお金が動いてしまう5000億の“研修”市場」これらにメスを入れて価値あるプロダクトを生み出すという想いで走り続けて4期目に突入した2019年。

1年を振り返ると苦しいといいますか…継続的な売上と黒字を死守しながら、新たなサービスに投資し続けるこの活動の終わりは何処へいくのだろうか…と自問自答を続ける日々だったと思います。

志だけではどうにもならない現実の傍らで、自分の想定を超えるお金が動き価値あるプロダクトが生まれる現実をみると「社会にとって意味あることをできているのかなあ?」と自分に問わずにはいられません。私は中二病になってしまったのでしょうか…

2010年に“キャリア選択の論文”を書いて大学卒業してから10年。気づけば「キャリアの世界」にどっぷり浸かってきました。本日は、Original Pointの3つの事業における、“これまでの取り組み”と“これからの展望”をまとめてみました。キャリアという領域で価値を生むヒントとしてご覧いただければと思います。

1.大学向けキャリア教育市場での取り組みとこれから

Original Pointの創業前から取り組んできた大学での年間を通じたキャリア教育プログラム。

大学キャリア教育市場は13億という小さな市場が起因して、組織単位でのプレイヤーは入りにくくなっています。結果的には“昨年踏襲”もしくは“個人単位”という動きが増え、キャリア教育の質そのものを高めていく動きが起きにくいのが現実です。

勿論、社会に開かれた学部のような動きを仕掛けていく取り組みも様々ありますが、まだまだ少数派だと思います。

社会の選択肢に触れるという機会は、「キャリア選択における良し悪し」を判断するにおいても、「学生と社会人の違い」を認識するにおいても貴重な機会であり、不透明な情報とブランド名で選択する『ギャンブル的な就活』を是正することにもつながります。昨年は、そんな大学初年次に必要なサービスを実験的に展開した1年でした。

キャリア支援サービス「ハタチのトビラ」リリース

昨年は、顧問に就任いただいた法政大学キャリアデザイン学部の田中研之輔先生のお力添えもいただき”ハタチのトビラ”というキャリア支援サービスのβ版をアップデートしました。社会理解と自己理解を深め将来の方向性を見出すをコンセプトに、「仕事体験ができる動画コンテンツ」と「自己理解を深めるマイテーマ作成機能」を提供しています。

昨年は、ハタチのトビラを活用したキャリア授業も大学で展開しており、1,000名を超える大学生に提供致しました。本サービスを活用して、誰が先生であっても一定数の効果が出せるキャリア授業の実証実験を現在も繰り返し行っているところです。

産学連携型PBLの変革「澤柳塾」リリース

創業前からお世話になっている成城大学キャリアセンターの方々と、Original Pointでお世話になった顧客、コクヨ様、マクドナルド様、SB C&S様、ディノス・セシール様と連携し、1年間のキャリアプログラムを初年次向けに提供致しました。

8グループの1年生がマクドナルド様の新規事業室で取り組まれる課題に対して向き合い、成長していく過程には私自身も心を動かされるものがありました。

大学主催で初の逆求人型プログラムの実施

弊社としては、あえて避けていた就活直結の取り組みになりますが、戸板女子短期大学様という日本で1番チャレンジしている短大であろう皆様に加わって、3ヶ月の自己PRチャレンジプログラムというものを実施致しました。

これは、企業目線の欠落&迷いの森へと誘う「自己分析」に、企業の採用プロセスをコンサルしているプロの視点とキャリア支援のプロである現場の皆様とタッグを組んで、自己分析とプレゼン力をサポートする取り組みです。

逆求人型のプレゼンの場があるという明確な目標とサポートが、想像以上に成長の糧になったことは、弊社としても大変な学びとなりました。

2020年の大学向けキャリア教育への取り組み

本事業は、目の前の学生に対する価値はあるもの、ビジネス観点でいくと難しいのが現状です。一方で「人材紹介」等に頼って収益化を目指してしまうと、キャリア支援に“大人の事情”が入ってしまうため、その点だけは避けて突っ走ってきました。

結果的に得られたこととしては、キャリア教育の質を属人化させない「仕組みの基盤」と「実践知」だと思っています。本年は、弊社のこれまでの取り組みを形式知化してオープンに展開しながら、共創的に広げていくことに力を注いでいきます。新たなプロダクトを楽しみにお待ちください!

2.新卒採用市場での取り組みとこれから

「組織が個人を選ぶ時代」から「個人が組織を選ぶ時代」へとシフトしていく中で、ナビサイトによる待ちの採用から、様々な採用手法を駆使した攻めの採用が主流になってきました。

弊社としては、RJP理論(ポジもネガも訴求することで、ミスマッチの是正や入社後活躍を後押しする考え方)をベースに、どうすれば学生の入社後活躍を促進するための必要な情報が正しく届き、その情報が企業の魅力訴求につながるのかを考え、「採用動画制作」「インターンシップコンテンツ制作」「現場社員の面接力強化」を軸に取り組んできました。

ジョブシャドウイング動画を軸にした採用マーケ

中小・大手企業問わずに、ジョブシャドウイング(1日現場密着)動画の制作に取り組んできました。YouTube慣れしている昨今の学生に、“カッコイイ”ではなく“リアル”をどうすれば届けられるのかを試行錯誤した1年でした。

過去の100点を更新していく作業はまだまだ発展途上であり、ジョブシャドウイングに限らず動画コンテンツの可能性を広げていくことに引き続きチャレンジしていきたいと思います。

入社後の「学べる」を体感するインターンシップ2.0

インターンシップが乱立している中、「これって説明会?」といったインターンもまだまだ多いなという印象です。本来の意義である“事業体感”に加えて、その会社の仕事を通じて得られる“学び習得”ができるコンテンツを、その会社の事業をヒアリングしながら設計してきました。

昨年は「新規事業」がテーマのインターンをアイデア発散で終わらせず、「その会社のフィロソフィーを体感できるか?」という観点から設計するコンテンツ制作が印象に残っています。制作過程において、組織として“変えないこと”と“変えること”の選択を迫られる過渡期を、担当者の方と一緒に体感しているような感覚が面白かったです。

2020年の新卒採用市場での取り組み

就活というマーケットにおいて「学生と企業双方にとっての最適なマッチングとは何か?」という問いを探求してきました。この領域においては、既にONE CAREERはじめ、素直にすごくいいなあというサービスが増えてきています。

正直、飽和しているので自社の出番はあるかなあと思いつつ、“大人の事情”を除いたキャリア選択の機会を、「学生のキャリア支援」と「動画コンテンツ」の強みを活かして創っていきたいと思います。

3.企業向けキャリ開発(人材育成)市場での取り組み

「退職する際は“夢をおいかける”という嘘でのりきった…」 昨年、大手企業から転職した3年目社員の定性調査でヒアリングした本音です。“バブルを知らない世代”と“バブルを知っている世代”のキャリア観の溝が主体性の低下や早期離職といった様々な問題を引き起こしているなあと感じています。

従来のキャリア開発は、ジョブ型の採用にフィットするように考えられた欧米型の理論(WILL-CAN-MUST)がベースとなっており、数年後をキラキラに描いて忘れさられるアクションプランを書くという繰り返しに一石を投じるために、キャリア開発3.0というコンセプトを打ち出し、研究と実践を繰り返してきました。

マイテーマを軸にしたキャリア開発

未来ではなく今にフォーカスして、自分をアップデートする「マイテーマ(興味から探求したい問い)」と、自分の仕事をアップデートする「V-OODA」を軸に、20代〜30代の方々を中心にキャリア開発の機会を提供するとともに、OJT・管理職の方々にはキャリア支援スキル習得の機会を提供してきました。

「これ、いらなくね?」と思う研修が溢れる市場の中に、「これ、必要だよね?」と思える機会を届けられるように、頭に汗をかく1年でした。

12社の「若手キャリア意識」調査

12社の企業で働く若手社員のキャリア観の調査から、本人と上司それぞれにどのようなアプローチをすることが効果的なのか?という研究に、東京経済大学の小山先生と一緒に取り組みました。

「組織は好きだけど、組織を担っていく意識が希薄な若手」と、どのように向き合うか?これは来年のテーマになりそうです…

2020年の企業向けキャリア開発(人材育成)市場での取り組み

人材育成領域の市場は、リーマン後からは増加しつつも概ね”横ばい”といった領域です。投資対効果が曖昧かつ、無形商材のため感覚的な意思決定がされ易い実態はここ10年変わっておりません。

「これ、いらなくね?」から「これ、必要だよね?」という機会を提供するために、キャリア研修の投資対効果とキャリア開発の展開や内製化にも取り組んでいこうと思いますが、その手法はまだまだ模索中です…

個人と組織の関係性が変化する中で「前向きな個人の活躍・組織活性化を目的にした機会をどのように創るのか?」

令和時代のキャリア開発の最適解を探求するために、2月6日(木)はワークショップも実施する予定ですので、人事の皆様と一緒に探っていけたらなと考えております!

※現在、申し込みを受け付けています。

経営の難しさを感じつつ、3つの事業の連鎖の先へ

起業して3年が経過しますが、経営者批判は簡単で、経営者としての会社経営は「大変だー」「向いてねー」とつくづく感じてきました。最初は、3年で見切りをつけようとも思っていましたが、私にとって3年で見切りをつけられる程、簡単なMissionではなかったです…

2020年も「3つの事業が連鎖することに価値がある」と信じて、社会に価値あることを残せるよう高・大・社の“キャリア”という領域で、精一杯やっていきたいと思います。

“Original Pointの経営”と“自分のキャリア”については永遠に悩み続けていますが、「顧客の皆様からいただく問い」と「その問いに向き合ってくれるメンバー」が支えになっております。

本年もご一緒に価値あることができるよう、引き続き宜しくお願い致します。

高橋 政成

高橋 政成

Masanari Takahashi

大学を卒業後、人事コンサルティング会社(株)シェイクへ入社。研修プログラム開発、コンサルティング営業として、100社以上の人材育成に携わる。トップセールスを達成した後、最年少マネジャーへ昇格。その後、既存事業と兼務で、大学向け教育の新規事業を立ち上げ。2016年、大学・採用・キャリア開発の領域から、新たな価値を創るためにOriginal Point株式会社を設立。

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