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【いまどきのキャリア開発】学生から社会人への土台を整える新入社員研修のあり方とは?

「リアリティショック」「主体性の醸成」「若手の離職」コロナ禍において、新人・若手育成の課題をどう解決するのか?

昨今、Z世代のキャリア観が変化する中で、必ず起きうるリアリティショックに対応した採⽤・キャリア開発アプローチが求められています。弊社としても、さまざまな調査を通じてみえてきた⽇本企業のリアリティショックの実態から、新しい⼈材育成のあり方を模索しております。

今回は、3日間の新入社員研修を通じ、新しい新入社員育成に取り組む さくら情報システムの人事部 キャリア開発部門のY様とT様にインタビューさせていただきました。

 

―まずは御社における新人育成の拘りを教えてください。

―Tさん:弊社では、技術者を育てていく中で、約5ヶ月にわたって社会人としての普遍的なマインドセット、技術者としてのスキルセットの2つを育む研修を設計しています。

特に、社会人として「働く」マインドセットはこだわっていますね。これからは、価値を享受する側から価値を提供する側になるというマインドセットをつくることはとても重要だと捉えています。

そうすることで、配属先で先輩や現場トレーナーと同じマインドもって業務に参画できると考えています。お互い働く仲間として学び合い、価値創造する仲間として協働できると思っています。

―マインドセットの文脈でいくと、御社は経験学習サイクルの落とし込みにも力を入れてますよね。

―Yさん:学生とは異なる社会人として、そして技術者として、「学習スタイルを模索する」ことが重要だと思っているからです。新人研修5ヶ月の中でも、現場へ出てからもですが、経験学習サイクルをどれだけ回せるかによって成長の伸び代が変わってきます。だからこそ、新人研修全体を通して、学び方の土台を実践的に学ぶ機会を研修の中で定期的に設けています。

既存概念や知識にとらわれず、新たな知識・技術・発想・やり方に挑戦すること、そしてその経験から内省し、持論化することを繰り返すことがとても重要だと思っています。

―弊社でも“内省”には拘りを持ってプログラムつくっていたので非常に共感します。

―Yさん:研修はあくまでも「目的」ではなく「手段」であり“気づきを得る機会”なので、それを「どう行動にうつすか?」が大事ですよね。これまでの人材育成の経験や他社事例を参考に「行動に繋がらないと意味がない」と考えています。経験したことを振り返り、思考を言語化しないと行動変容につながっていかないと思います…だからこそ、「内省」を含む経験学習サイクルの定着には力を入れて取り組んでいます。

 

―新人育成施策の中でOriginal Pointを取り入れていただいた背景を教えてください。

―Tさん:昨今の新卒社員の考え方やキャリア感が変化している中で、時代に合ったアプローチでリアリティショックを乗り越え、成長できるプログラムにしていきたいと思っていたところ、御社との出会いがあり、導入させていただきました。

学生の傾向や時代に沿ったキャリア論を踏まえて情報提供、新人研修のカリキュラムへの反映をしてくれているので信頼感があり、頼りにしています。

企画の面では弊社の意図を丁寧に汲んで、企画設計いただいているところも非常にありがたいですね。

―それは嬉しいお言葉です…

―Yさん:私としては“社員のキャリア自律”に向けて取り組み始めていた中で、Needs(顧客の期待)を起点に自分のWill(興味・関心)とCan(できること)を都度拡大していく新しい視点に出会えたことがひとつのきっかけでした。

Will(やリたいこと)・Can(できること)・Must(求められること)の重なる部分を見出す過去のキャリア論ではなく、日本雇用に合わせた新しいキャリア開発の考え方に共感する部分が多くありました。

―プログラムの反応をみた、研修成果の手応えも教えてください。

―Tさん: カリキュラム自体が経験学習の実践の場となっており、研修後の実践のイメージをつかめます。5ヶ月間の研修期間を経た受講者の振り返りで、4月のビジネスシミュレーションが一番印象的だったという回答が複数ありました。

「働くとは」何かを体験する中で、価値提供の主体者になることや、相手の期待をとらえその期待を超えていくということを体感できたことは大変意義のある研修でした。4月の研修での成功体験、失敗体験を糧にして目標を設定し、日々の研修で経験学習サイクルを意識しながら自己研鑽している姿をみて嬉しく思っています。

―Yさん:全体ではなく、個にアプローチする内容で進めてくださるのもありがたいです。研修参加者に正解を提供するのではなく、参加者に問い、まずは個人に考えさせる方法をとってくださいます。グループワークや新人同士がフィードバックをする機会が多くあり、新人同士の信頼関係を深める機会にもなっていると思います。

 

―弊社の研修について、こんな会社には合う、合わないなどあれば教えてください。

―Yさん:どの会社にもフィットすると思います。特に、時代の変化を踏まえて新しい方向性を目指している会社にはフィットすると思います。

Will(やリたいこと)・Can(できること)・Must(求められること)の重なる部分を見出すことも大切ですが、Needs(顧客の期待)を起点に自分のWill(興味・関心)とCan(できること)を都度拡大していく新しい視点も重要だと考えています。

その新しい視点に共感できる会社にはとてもいいのかなと思います。

―Tさん:そういう考え方もありますよね。組織として新しい方向性を目指しているという会社に加え、人事担当者として新しく組織を変革していこうとしているのであれば、フィットするのではないかと思います。

―最後に、今後、新卒育成としてアップデートしていきたいポイントを教えてください。

―Tさん:個の変化を可視化してくこと、個人に対するフィードバックは注力し、個人変容支援と成長支援に取り組んでいきたいと思っています。

その他、配属直前での“マイテーマ”についてもしっかりフォローしていきたいですね。

研修を研修だけで終わらせずに、どこまで新人の行動変容を育めるか、今後も一緒に考えていきたいと思っています。

 

インタビュー後記

職場でのリアリティショックを乗り越え自律的にキャリアを形成するにあたって、学生から社会人への移行期間の初手として学習スタイルを模索することは重要です。さくら情報システム様の新人研修の中では、経験学習サイクルにおける内省からの持論化を、3回の研修にわたって実施したことで着実に身につけることができている印象があります。

今回の事例を通じ改めて、定期的な研修の中でサイクルを回していく仕組みづくりの重要性を感じました。

Original Pointとしては、時代にあったキャリア開発のアプローチを広げながら、研修だけでは終わらせない仕組みを企業の皆さんと一緒につくっていければと思います。

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