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大学キャリア教育はオンラインで変われるか? 時代の変化が突きつける3つの課題

コロナによって大学での学びのあり方に変革が求められている中、大学キャリア教育に携わる我々としても最適解を模索しています。

本年度は「オンデマンド配信」「Zoomを活用した双方向型の授業」「オンラインでの産学連携型PBL」等、大学の制約条件に合わせて様々な取り組みをしてきました。

コロナ後のキャリア教育において「元に戻ることを期待する」というのは単に変革を止めてしまうので、「残しておくべきもの」と「再定義するもの」を取り組みの中から整理していきたいと思います。

課題①時代の変化に伴う、キャリア教育の役割を再定義

2010年から大学において本格化したキャリア教育は、大学生にとって何をもたらしたのでしょうか?

「社会的・職業的自立に関する指導」といったキーワードがある中で、これからの将来について考えることが、学生から社会人への移行を後押しすることや、現在の学問への意味づけにつながるといった機会には大いにメリットがあるように思います。

一方で、「社会的・職業的自立に関する指導」といったキーワードが置き去りにされて、「就活支援」に留まる実態も存在します。結果、「学部教育との分断」といった、必要性そのものを問われるケースがあるように思います。

また、社会情勢の変化に伴い、業界や職種、働き方も変化する中でリアルな実態に即して、学習内容がアップデートされてるかは疑問です。「キャリア教育=理想の将来を描く」というアプローチも、配属まで職務が限定されていない一括採用の日本においては少々ミスリードでしょう…

向き合うべき課題の1つとしては、コロナを節目に、キャリア教育の目的や、大学内での役割を再定義することだと感じています。個人的には、学校と社会の橋渡しを通じて「学部での学びの意味づけを深める」といった役割を果たすことが理想だと感じています。

課題②対面授業に期待しない、授業設計の再定義

「一つの画面を”90分 “集中してみた経験ってありますか?」と聞かれると、「授業」よりも先に「劇場版・鬼滅の刃」を思い出してしまう私ですが…

YoutubeやTik tokといったテンポ感溢れるエンタメに触れている大学生を非対面で惹きつけることは簡単ではありません。「Zoomで一本撮りされた”90分”の授業」に泡を吹く学生の悲鳴を耳にするようになりました…

コロナによって、難易度の高い授業設計への変化が余儀なくされた訳ですが、「オンライン」「動画」といったツールをどう最適化していくかが2つ目の向き合うべき課題だと感じています。

オンデマンド配信も「”90分”一本撮り」は地獄でしかありませんが、「10分」程度に細分化し、都度アウトプットを求める設計することで、マイクロラーニングが可能になります。細分化された動画は、授業の事前学習にも最適です。

「元に戻す」という発想から「新たにつくる」といった発想に転換することで、授業をアップデートするタイミングがきているのではないでしょうか…

課題③コロナ禍における、就活支援の再定義

キャリアセンターの役割としては「就活支援」といったことは一つあると思いつつ、2010年と比較すると、就活におけるツールもナビ媒体から多様化しています。

ネットを叩けば、志望企業の通過者のESの情報を手に入れたり、OB・OGや就活支援者とも簡単につながたり、有益な機会を簡単に手に入れられる時代になりました。

就活のテクニカルな支援については、もはや就活支援会社に任せてしまっても…と思える状況な気がします…

短期間で納得感をもってキャリア選択をすることが難しいからこそ、早期から職業観を育む後押しや、学内・学外で経験値をためる後押しをすることの方が、学生のキャリア選択には有益だと考えています。

改めて、就活支援とは「就職率を高めるために、スキル支援することなのか」「動きが鈍い学生の動き出しを後押しすることなのか」ツールが多様化している時代だからこそ見つめ直すべきタイミングなのかなと感じています。

2020年を起点に大学キャリア教育をアップデートする

コロナによって働き方や、大学での学びのあり方に変革が求められている中、大学キャリア教育に携わる我々としても最適解を模索しています。

前例がないものを嫌う逆風はありつつも「学びを止めない」という使命のもと、担当者の方々とは制約条件の中での最適解を模索させていただ1年でありました。(ご一緒させていただいた関係者の皆様、本当にありがとうございます)

大学キャリア教育に携わる一人として「オンライン大学キャリア教育を考える」と題して、”実践から得たノウハウ” や “有識者の方々との対談”を通じて、定期的に発信していけたらと考えています。

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